おうち英語は、「見つけていく」もの
私がおうち英語に出会ったとき、なかなかおうち英語の全体像が見えずに、とにかくみなさんの貴重な記録を読み漁っていました。
今ではおうち英語って何?というようなサイトやブログも増えてきたので、以前よりみえやすくなったのかもしれません。
おおまかな内容としては
・動画視聴
・絵本
・かけ流し
・遊ぶ・語りかけ
を日常に取り入れているご家庭が多いと思いますが、その比重は本当に様々です。
だからこそ、これからという方はどれを参考にしていいかわからなくなってしまうのかもしれません。
とある英語堪能ママと英語苦手ママの一例をグラフで比較してみました。
(あくまで一例です)
グラフでわかるように、とある英語苦手ママは語りかけをほとんどしていない分、他の3つで補っています。
語りかけについてはとくにご家庭で比重がわかれやすいところだと思います。
また別で記事にしたいと思いますが、語りかけが思うようにできないことはまったくデメリットではありません。
またとある英語堪能ママの場合、かけ流しの時間があまりとれない分を、語りかけの時間で補っていることもあります。
比率が少ないところがある場合は、他で補っていくと思っていると負担も減るのではないのでしょうか。
そのご家庭の生活環境や、お子さんの性格、または親の性格、英語力によってしっくりくるスタイルというのは違います。
またお子さんの成長や生活の変化でそのスタイルが変わることもあります。
まずは色々試行錯誤して一番しっくりくるところを見つけられたらいいのではないかなと思います。
おうち英語はみんな違ってみんないいのです。
それぞれの親子のカタチをつくっていけたらいいなと思います。
注意したいこと
おうち英語を長く続けていくために注意したいことがあります。
それは一つや二つだけに比重が偏らないことです。
たとえば語りかけだけでいく。
語りかけと絵本だけでいく。
などです。
もちろんどこまでやりたいのかというところもご家庭によって違うので、それで十分だと思われる方は大丈夫です。
それも一つのカタチだと思います。
また子どものころから話せなくても、スピーキングは大きくなってから伸ばせばいいとお考えの方の場合もこれは当てはまらないかもしれません。
ただ、日本で生活していて、
学校もインターナショナルスクールなど英語の学校ではなく、
おうち英語で子どものころからストレスなく英語で表現できるようになってほしい
とお考えの場合、1つや2つだけ進めていくと、いずれ壁にぶちあたることが多いです。
良質なインプットが不足していると、年齢が上がるにつれて、英語力と日本語力の差が開いていきます。
そうなると、年齢相応の知的好奇心を満たすものだったり楽しめるものが自然と日本語のものが多くなっていき、英語から遠ざかることになります。
できる範囲で4つ取り入れていくことでよりスムーズにいきやすいかなと感じます。
その根拠は日本語の習得過程を思い浮かべてみるとわかりやすいです。
日本語習得からみるおうち英語
おうち英語が動画視聴、本、かけ流し、遊ぶ・語りかけを基本にしているのはなぜか。
それは日本語の習得過程を思い浮かべてみるとわかりやすいです。
まずお子さんが小さいころは、親子の日常会話に加えて、手遊びをしたり、歌を歌ったり、好きな遊びをする中で日本語をどんどん覚えていくと思います。
そして幼稚園や学校にいくようになると、親だけでなく、お友達や先生の話の中でもたくさんのことばを吸収していきます。 (遊ぶ・語りかけ)
テレビをみるようになると、テレビから勝手にことばを吸収していたりもします。
とくにお気に入りの番組だと、セリフなどを覚えて遊んでいたりもすると思います。 (動画視聴)
家では家族の会話や大人のテレビなど、外では他人の会話やお店の音など、たくさんの日本語があふれています。(英語ではかけ流しで環境をつくる)
一緒に絵本を読んだり、大きい子は一人で本を読んだりもします。(読み聞かせ・読書)
親が日本語のネイティブであっても、親との会話だけで日本語が育っているわけではありません。
このような全部の環境があって日本語も習得していきます。
英語も日本語と同じ言語です。
できる限り日本語と同じような環境を作ることで、親がネイティブでなくても英語を習得することができるのです。
それでは、日本語と同じような英語の環境をつくるためにどうすればよいのか?
ステップ表
まずはこれから進んでいくSTEPについてお話したいと思います。
私がおうち英語をされている方のブログを拝見したり、実際お会いしてお話を伺ったりする中で、うまく発話につながる環境をつくられているご家庭には、おうち英語のカタチはそれぞれ違えど、進んできた道のりに共通点があることに気が付きました。
そしてその道のりを参考にしながら進んでいったことで、わが家もあまり遠回りをすることなく進めることができました。
それをこの先進んでいくSTEP表として簡単にまとめたのがこちらです。
ステップ0→子どもに合わせた環境を作るための【親の習慣作り期】
ステップ1→良質×量のインプットで基礎をつくる【インプット実践期】
ステップ2→子どもをみながらレベルをあげていく【インプット発展期】
ステップ3→英語・興味の幅をひろげながらの【インプット継続期】
この先はこのSTEP順に環境づくりの話を進めていきたいと思います。
ステップをみると、「アウトプットがない?」と気になる方が多いかと思います。
しかし、アウトプットのほとんどはインプットが鍵を握っていると思っています。
インプットと一口に言っても、うまく発話につながるインプットと、インプットにあまりなり得ないと感じるものがあります。
私の感覚ではまだスタートに立ったばかりの方が、STEP2から始めていて、子どもが英語の動画を嫌がるんですとおっしゃていたり、
始めたばかりのころから英語レベル3のものでインプットしていて、アウトプットに悩んでいますとおっしゃられたり。
たくさん情報収集をしている方こそわかっているつもりでいることが多いような気がしています。
それではまずSTEPごとの詳しいお話に入る前に、名前ばかりがひとり歩きしているように感じる、おうち英語における「語りかけ、かけ流し、動画視聴、絵本の読み聞かせ」について書いていきたいと思います。
語りかけ
一番頭を悩ませる方が多いと感じる「語りかけ」ですが、、、
語りかけができないとインプットがたくさんできないと思っていませんか?
語りかけは、文字通り英語でお子さんに話しかけることなのですが、
日本語で話しかけているようにペラペラと話しかけなければいけないわけではありません。
おうち英語における語りかけをする目的は、
英語も日本語と同じ、日常で使う言葉なのだと子どもに感じてもらうことです。
テレビの中だけのことば。
絵本の中だけのことば。
教材だけのことば。
英語教室の中だけのことば。
そんなふうに、英語は非日常のものだと思っていると、日常的にお子さんの口からなかなか英語は出てこないかもしれません。
始めた年齢が遅いほど抵抗があると思います。
テレビ、絵本、歌、、、、などで聞いている英語は、日本語と同じように、コミュニケーションをとるための言葉として、日常で使われるものなんだということに気づくことで、英語を話すことも特別に思わなくなり、アウトプットにつながっていきます。
もうひとつインプットしたものを引き出す役割もありますが、これはそのSTEPのところで詳しくお話したいと思います。
英語が堪能な方は語りかけも一つのインプット源となると思いますが、
ここでも書いたように、インプットは他で補えばまったく問題ありません。
インプットのためと考えず、英語も言葉であるということを伝えるために、少しでもいいので日本語を話すときと同じ気持ちで口にすることが大切です。
語りかけをして、インプットをしなくちゃと焦る必要はありません。
語りかけができないから子どもの英語を伸ばせないと考える必要もありません。
ただ気を付けることは、
・英語と日本語を一つの文中になるべく混ぜない(これはappleだね。など)
・和訳、英訳をなるべくしない(りんごは英語でappleっていうよ。今は○○といったんだよ。など)
それだけです。
ぜひ気軽にお子さんに英語を話してみてくださいね。
かけ流し
こちらでも触れたように日本では日本語が生活の中であふれているという環境があります。
そのような環境を英語でも作り出すためにかけ流しがあります。
そして効果的にかけ流しをすることで(具体的には各STEPのところでお話します)、それが大きなインプット源にもなります。
とくに英語の語りかけが十分にできない方の強い味方になると思います。
かけ流しのポイントは聞かせないように流すことです。
あくまでも意識的には聞かせません。
大人はそこに意識を向けないと聞けませんが、子どもたちはお話していたり、他のことをしたり遊んだりしていて、聞いていないようでも、案外入っているのです。
遊びや会話の邪魔になってはいけないので、音量は、大人からすると、あれ?なんか流れてる?くらいでいいと思います。
しかし音量の感覚には個人差があると思いますし、お子さんの性格によってもどれくらいの音量で流すのがちょうどいいのかは違ってきます。
小さい音なら聞き流しながら遊べる子もいますが、小さい音ほど手をとめて耳をすまして聞き入ってしまう子もいます。
お子さんの様子をみて、これくらいの音量なら会話の邪魔にならず、また遊びを止めずにかけ流せるなというところをみつけられたらいいと思います。
流すものは、大まかに言うと、歌や絵本のCDであったり、観ている動画の音声だったりします。
大きくなってくると、ニュースや本の朗読CDなんかもはいってきます。
ちなみに、年齢や英語力があがってくると、どんなものを流してもじっくり止まって聞いてしまうようになることが多いです。そうなったらかけ流しではなく聴く時間として確保するようにシフトしていくことになります。
「かけ流しは意味がない」という意見もたまに聞かれますが、意味がないかけ流ししか知らない方の意見なのではないかと思います。
この先お伝えしていく効果的なかけ流しで、ぜひ英語環境づくりを楽にしていただけたらと思います。
動画視聴
その名の通り、海外のテレビ番組やオンライン動画などを視聴することです。
海外の子どもたちが楽しんでいるアニメなどのテレビ番組は、よりネイティブに近い感覚を身に着けられる気がします。
日本語でも、テレビから吸収することがけっこうあると思います。
言葉の意味が動画だと理解しやすいので、動画からはとくに吸収しやすいように感じます。
テレビにでてくる遊びをしたり、歌を歌ったり、アニメのごっこ遊びをしたり、
親子で楽しむことで、親子のコミュニケーションのツールとしてもひと役買ってくれるものでもあります。
今では様々な動画配信サービスにより、ひと昔では考えられなかったほど、海外の番組も容易に視聴することが可能になっています。
これはおうち英語のハードルをすごく下げてくれていると思います。
それだけでなくDVDも日本とは比べ物にならない値段で安く購入できます。
ただ視聴しやすくなった分、より動画の選び方には注意が必要になっていると思います。
英語のものならなんでもいいわけではありません。(詳しくは各ステップにて説明します。)
お子さんの英語レベルと興味に合ったものをぜひ選んで動画視聴を取り入れてみてくださいね。
読み聞かせ
日本語の絵本の読み聞かせをするとき、日本語のインプットのため!!と意気込んで読み聞かせをされる方はいらっしゃるでしょうか?
ほとんどの方は、親子のコミュニケーションの時間の一つとして絵本を読まれているのではないでしょうか。
それが日本語であろうと英語であろうと同じですよね。
英語のことになると、インプットに効果的と言われる絵本を、ノルマのように読んだり読ませたり。。。
子どもに一生懸命覚えさせようとしたり。。。
子どもにとって、つまらないものややりたくないものになってしまっては逆効果ではないかなと思っています。
日本語の絵本と同じように、
どんな本が好きそうかな?
これくらいの本なら飽きずに楽しめるかな?
今は動物にはまっているからこんな本だと喜びそうかな?
そんな風に、お子さんをみて絵本を選び、親子の絵本時間を楽しい時間、心地よい時間にしてほしいなと思います。
長いおうち英語の期間を考えたとき、一番大切なのは、英語の本も日本語の本も読みたいから読むものであってほしいということです。
お子さんが何度も読みたくなるお気に入りの本を見つけたときはとてもうれしいです。
ぜひ読み聞かせの時間に英語の本もプラスして、洋書絵本も親子で楽しんでみてくださいね(*^-^*)