最近、また急激に視力が悪くなったと感じる【#おうち英語ならSG】のリサです
シリーズもので書いていながら途中で離脱する毎度のクセを発動しながらも、なんとか最終記事までたどり着きました(笑)
今回のシリーズは今の中学英語教育の問題点について。
私が思う問題点はおおきく3つ。
その3つとは、単語、文章の量と難易度、文法の指導法。
今回は最後の文法の指導法の後編です。
私自身が学生だったころは、コミュニケーションという別の授業も少しはあったのですが、やはり文法指導や精読に偏よっていたなと思います。
ただ、ずいぶん昔の事で😂、当時の教科書が手元にないため、その年代の教科書との比較はできませんが、とりあえず約10年前の長女の教科書と、現在中1の次女の教科書を文法の指導面にフォーカスして比較してみたいと思います。
まずは長女の時の教科書(2015年度版NEW CROWN)のを見てみると・・
Lesson1 I am Tanaka Kumi. 田中久美です、よろしく
Lesson2 My School ALTの先生を案内しよう
など、レッスン1~9までのタイトルとサブタイトル、間にはいったコラム的ページが並んでいます。
そして、その次に「各レッスンで学ぶこと」としてそれぞれのレッスンの題材と文構造(POINT)、活動が別途一覧になっています。例えば、
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Lesson1
題材:あいさつ、文構造(POINT):I am../You are…/Are you…?/I am not..、活動:自己紹介をする
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一方、次女の教科書(2024年度版NEW CROWN)では
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Lesson1 About Me
I am../You are…/ I play../You like…/Are you..?/Do you play..?/I am not…/I do not play…
GET PLUS 1 どんな食べ物が好きですか What food…?
文法のまとめ1
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という感じで全部まとめて目次に書いてあります。
1レッスンで学ぶ文構造のポイントや文法事項の量が多いな・・というのはさておき、問題なのは文法学習の理想と現実のギャップ。
長女の時の教科書は、レッスンが始まる最初のページに「この課で学ぶこと」として文法事項のキーワード、「ポイント」としてこういう時にはこういう文構造を使うという事が明示してあります。
その後で、それらの文構造が使われた本文があり、ロールプレイをしたり文章を書いてみたりするエクササイズに進みます。
さらに3レッスンごとくらいに「文法の要点」というまとめページがあり、図もありつつ文構造、文法事項を復習できるようになっています。
つまり、「文法事項の紹介→説明→実践」という形での学習ですね。
一方、次女の教科書では、最初の「この課で学ぶこと」的な場所にあるのは
○○を伝え合おう、○○をたずね合おう、○○を発表してみよう、話しあって理解を深めよう
のようにものすごく漠然としたものばかり。
レッスンを進めていっても、文構造に関する記述は特になく、ひたすらリスニング、作文、発表。
「ポイント」として書かれているのは
I am Tanaka Hana.
I am fine.
I am from China.
I am a dancer.
という文章。
多分ここでは、I am~. という文構造を学ぶ目的だと思うのですが、書かれている説明は以下の二文のみ。
・英文の主語はなにかな?
・amの後ろに続く語句について気づいたことを話し合おう。
そして、その下に小さく「youのときはareを使うよ」、とあります。
つまり、「実践→分析→簡単な説明」となっています。
もちろん、ちゃんと時間をとって全部できるならそれでもいいのかなとは思います。
でも、ゆとり教育からの揺り戻しとして、アクティブラーニングだの、プログラミングだの、カリキュラムが大幅に増えてただでさえ授業数が足りなくて詰めつめ状態なのに、いちいち文構造について話し合っているヒマあるんだろうか・・・。
しかも、中学英語の授業をオールイングリッシュに!と言っているのに、この「話し合い」ってムリじゃない?
実際、次女の中学では、教科書は本文をさらっとやるだけで結局他は問題集やアプリで補っている状態。
あれもこれも!話し合い、ディスカッション!と理想を詰め込みすぎて、現実では本末転倒になっている感が否めないし、文法の導入の仕方も無駄に暗示的学習に寄っていてもったいないなと感じます。
年齢があがってから言語を学ぶのは、耳ができにくいとか、正しく発音しにくいとかデメリットばかりが誇張されますが、もちろんメリットもあって、高学年で英語を学ぶ時に使うべき武器は「明示的学習」がしやすいことだと私は思います。
つまり、「これはこうだから、こうなる」という説明を受け、納得した上で使えるように練習する事ができる。
逆に言えば、おうち英語のメリットはたくさん聞いて、たくさん使ってみて、少しずつ間違いを自分で修正していきながらいつのまにか使えるようになる「暗示的学習」がしやすいものの、特に文法などは説明を受けてもまだ理解できる知的能力が足りない年齢だと、それはあまり使える武器ではありません。
それを踏まえると、新しい教科書の文法指導・導入方法は、以前のものよりも明らかに明示的学習から離れてしまっているのも残念だなと思います。
英語講師をしている友人たちからも、新しいカリキュラムで学習した子達はびっくりするほど文法が頭にはいっておらず、「なんとなく」進んでしまっていて、後の長文読解、作文の時に太刀打ちできない状態になる子が多いという声を聞きます。
だからといって文法一辺倒の授業がいいとは思わないし、子どもたちの学力は様々で、大学受験に対応しなくちゃとか、保護者からの要望がとか、現実的に子ども達みんなにとってうまく回るカリキュラム、教科書を作ることなんて至難の業だよねとも思います。
今の英語教育に対して文句を言うだけでは何も生み出さないし、すぐに何かが変わるわけでもないので、自分達はどうしたいのかをよく考えやっていくしかありませんね。
ということで、結論、とりあえずおうち英語で!(笑)