ジョージの夢

現在、高３になる息子ジョージ。

軽度知的遅延があり、物事の理解度はかなり遅め。

特に概念的なものや、実在しないもの、目に見えないものの理解がとても難しい。

例えば、「親戚」の関係把握がすごく難しい。

とある人が、ある人から見れば親であり、とある人からみれば叔母であり、とある人からみたら従妹になる。

高３になっても「えーーっとな・・・あの人はマミーのイトコな・の・かっ！？」などと、まだ混乱中（笑）

そんなジョージが幼稚園を卒園するとき、卒園アルバムに「将来の夢は？」というページがありました。

他の子たちは、ケーキ屋さん、警察官、モデルなど定番モノから、仮面ライダー、何とかレンジャー的なものもあったり、お父さんの会社を引き継ぐなんていうのも（笑）

一方ジョージは何をどう聞いても「将来の夢」ということ自体が理解できず、全く回答なし。

アルバム委員の方が苦肉の策で「考え中」という事にしてくださいました。

まぁ、普段の日常会話だってまともに成り立たなかったのだから、将来の夢を答えるなんてムリゲーだよなｗ

それから１０年以上たった今。

未だに理解度は６才下の次女にほぼ追い越されている状態ではありますが、ジョージにはすでに明確で大きな夢があります。

それは、「ちゃんと働いて、独り暮らしをし、お金をためて、世界中の電車を見てまわる事」。

実現できるかどうか、夢の内容はさておき、「将来の夢」自体が理解できなかったジョージが、大きな事故や病気になることなく無事に高校生まで大きくなり、自分ではっきりと、嬉しそうに夢を語っている。

もうそれだけで私は幸せ。

彼がこれからの人生を彼なりに楽しめるよう、彼が夢をかなえられるよう、彼自身が幸せだと思えるよう、引き続き出来る事を出来る範囲でやりたいなーと思います。